96回薬剤師国家試験問167 粒子径測定法と得られる情報
96回薬剤師国家試験 問167
[I] 欄に粉体の粒子径測定方法の名称、[II] 欄にその説明、[III] 欄に得られる情報を示す。a〜eのうち正しい組み合わせはどれか。2つ選びなさい。
96回薬剤師国家試験 問167 解答解説
正解はbとcである。
◆ aについて
コールターカウンター法とは、粒子を電解質溶液に分散させ、両側に電極を置いた細孔を粒子が通過する際に発生する電気パルスを解析する粒子径測定法である。
コールターカウンター法では、パルスの数から粒子の数がわかり、パルスの高さから粒子の大きさがわかるので、
個数基準の粒子径分布と体積基準の粒子径分布が得られる。
なお、粒子にレーザー光を照射して生じる散乱現象や回折現象を解析する粒子径測定法はレーザー回折・散乱法であり、体積基準の粒子径分布が得られる。
◆ bについて
沈降法とは粒子の液体中の沈降速度から粉体の粒子径を求める方法であり、
沈降速度に関するストークス式が用いられる。
沈降法では平均粒子径とともに質量基準の粒子径分布が得られる。
関連問題
沈降法によって粒子径を求めるときに用いる式 97回問50
◆ cについて
ふるい分け法は目開きの異なるふるいをいくつか重ね、ふるい分けにより粉体の粒子径を測定する。
各ふるいの網上に溜まった粉体の質量を測定するので、ふるい分け法では質量基準の粒子径分布が得られる。
◆ dについて
空気透過法は粉体粒子の比表面積の測定法であり、空気が粉体層中を流れる際の抵抗から比表面積を求める。
透過法により粉体の比表面積を求める際、コゼニーカーマン式(Kozeny-Carmanの式)が用いられる。
なお、比表面積から粉体の平均粒子径を求めることはできるが、粒子径分布は得られない。
◆ eについて
吸着法は粉体粒子の比表面積の測定法であり、気体や液体分子が試料粒子の表面を単分子層で覆うのに必要な分子数から粉体の比表面積を求める。
吸着法では、Langmuir式やBET式を用い、試料粉体表面における単分子層吸着量を算出し、比表面積を求める。