エチレンへの塩化水素の付加反応におけるエネルギー図 109回薬剤師国家試験問9
109回薬剤師国家試験 問9
図は、エチレンへの塩化水素の付加反応における反応の進行度とポテンシャルエネルギーの関係を表している。塩化物イオンが求核攻撃する段階の活性化エネルギーはどれか。1つ選びなさい。
109回薬剤師国家試験 問9 解答解説
塩化物イオンが求核攻撃する段階の活性化エネルギーは、
選択肢3のE3である。
アルケンのハロゲン化水素の求電子付加反応の反応の機構については、
下記のリンク先を参照
アルケンへのハロゲン化水素の付加反応の機構 98回問103の1
反応の各段階において、極大エネルギーを持つ状態を遷移状態と呼ぶ。
活性化エネルギーとは、反応の各段階における出発物と遷移状態とのエネルギーの差である。
エチレンへの塩化水素の求電子付加反応は、
以下に示す段階1と段階2の2つの段階に分けられる。
・段階1
アルケンのπ電子が塩化水素の水素に供与され、水素が付加し、中間体としてカルボカチオンを生成する。
・段階2
カルボカチオンに対して塩化物イオン(Cl −)が求核攻撃し、付加する。
したがって、設問の図において、
塩化物イオンが求核攻撃する段階の活性化エネルギーを表すのは、
E3である。
なお、この反応は、段階1の方が活性化エネルギーが高いので、
段階1が律速段階となる。
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109回問9(e-RECさん)