エステル 塩基性条件下での加水分解 水酸化ナトリウムとの反応 83回薬剤師国家試験問8
第83回薬剤師国家試験 問8
下図に示す18O標識安息香酸エチルを水酸化ナトリウム水溶液で処理した後、反応液を酸性にした。予想される主生成物を1〜5の中から選びなさい。ただし特に表示のない酸素原子はすべて16Oとする。
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第83回薬剤師国家試験 問8 解答解説
正解は4である。
カルボン酸・カルボン酸誘導体(R-CO-L)と求核試薬(Nu)との反応として一般に起こりやすいのは求核アシル置換反応である。
カルボン酸・カルボン酸誘導体を基質とする求核アシル置換反応については下記のリンク先を参照
カルボン酸・カルボン酸誘導体の求核アシル置換反応の概要
塩基性条件でのエステルの加水分解では、エステル(R1-CO-OR2)に対して水酸化物イオン(OH−)が求核攻撃し、求核アシル置換反応の結果、カルボキシラートイオン(R1-COO−)の塩とアルコール(R2-OH)を生成する。なお、反応後、酸処理でカルボン酸(R1-COOH)が得られる。
設問の反応について、
下記のように進むと考えられる。