エステルとアミンを加熱して反応 アミド化 91回薬剤師国家試験問8b
第91回薬剤師国家試験 問8b
エステルに関する記述bの正誤を判定してみよう。
b エステルは一般に、第一級アミンと加熱するとアミドヘ変換される。
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第91回薬剤師国家試験 問8b 解答解説
b ○ エステルは一般に、第一級アミンと加熱するとアミドヘ変換される。
★ カルボン酸・カルボン酸誘導体を基質とした求核アシル置換反応
下記のリンク先を参照
カルボン酸・カルボン酸誘導体の求核アシル置換反応の概要
★ カルボン酸誘導体を基質とし、アミンを求核剤とする求核アシル置換反応ではアミドが生成(アミノリシス)
カルボン酸誘導体(R1-CO-L)に求核試薬として第1級・第2級アミン(NHR2R3)を反応させると、求核アシル置換反応の結果、R1-CO-Lにおいて脱離基(L)がアミン(NR2R3)に置換したアミド(R1-CO-NR2R3)が生成する。これをカルボン酸誘導体のアミノリシスと呼ぶ。
ただし、第3級アミンは立体障害が大きいことからカルボニルとは反応しない。
エステル(R1-CO-OR2)はアンモニアまたはアミン(HN(R3)R4)と加熱すると、求核アシル置換反応の結果、アミド(R1-CO- N(R3)R4)を生成する。ただし、第3級アミンは立体障害のため反応しない。
カルボン酸誘導体の種類間の求核アシル置換反応の反応性について、反応性の高いものから、
酸ハロゲン化物>酸無水物>エステル>アミドと並ぶ。
一方、カルボン酸誘導体の安定性について、反応性の序列とは逆で、安定性の高いものから、
アミド>エステル>酸無水物>酸ハロゲン化物と並ぶ。
アミドはエステルよりも安定性が高いので、エステルからアミドの変換が進む。