カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回薬剤師国家試験問104の2,4,5

第99回薬剤師国家試験 問104の2,4,5
下記の反応において主生成物の構造の正誤を判定してみよう。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施してある。

 

カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回問104の2,4,5

 

 

カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回問104の2,4,5

 

カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回問104の2,4,5

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第99回薬剤師国家試験 問104の2,4,5 解答解説

 

★ カルボン酸・カルボン酸誘導体を基質とした求核アシル置換反応

 

カルボン酸・カルボン酸誘導体を基質とする求核アシル置換反応については下記のリンク先を参照
カルボン酸・カルボン酸誘導体の求核アシル置換反応の概要

 

★ ヒドリドイオン(H−)またはアルキルアニオン(R−)が求核剤の場合は、2回求核攻撃が起こることに注意

 

カルボン酸・カルボン酸誘導体に対して求核試薬(Nu)としてヒドリドイオン(H−)やグリニャール試薬等由来のアルキルアニオン(R−)が求核攻撃する場合は、求核アシル置換反応の生成物がアルデヒド(R-CO-H)またはケトン(R1-CO-R2)であり、
これら生成物に対して追加的に求核試薬が付加反応を起こすことに注意が必要である。

 

設問の反応はカルボン酸またはアミド以外のカルボン酸誘導体に対するテトラヒドリドアルミン酸リチウム(LiAlH4)由来のヒドリドイオン(H−)による還元である。
カルボン酸またはアミド以外のカルボン酸誘導体(R1-CO-L)にLiAlH4を反応させると、ヒドリドイオン(H−)による求核アシル置換反応の結果、R1-CO-Lにおいて脱離基(L)が水素(H)に置換したアルデヒド(R1-CO-H)が生成する。さらに、生成したアルデヒド(R1-CO-H)に対してヒドリドイオン(H−)が求核付加してアルコキシドイオンが生成し、続いてそれがプロトン化され、最終的に1級アルコール(R1-CH2-OH)を生成する。

 

カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回問104の2,4,5

 

 

◆ 2について
カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回問104の2,4,5

 

主生成物の構造は誤りである。
カルボン酸(R-CO-OH)のLiAlH4による還元では、まずヒドリドイオン(H−)による求核アシル置換反応によりアルデヒド(R-CO-H)が生成する。さらに、生成したアルデヒドがすぐにヒドリドイオンによる求核付加で還元され、アルコール(R-CH2-OH)を生成する。

 

カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回問104の2,4,5

 

 

なお、カルボン酸の還元にはボラン(BH3)も用いられる。
ヒドリド還元剤の選択については下記のリンク先を参照
ヒドリド還元剤の選択について

 

 

◆ 4について
カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回問104の2,4,5

 

主生成物の構造は誤りである。
酸無水物(R-CO-O-CO-R)のLiAlH4による還元では、まずヒドリドイオン(H−)による求核アシル置換反応によりアルデヒド(R-CO-H)が生成する。さらに、生成したアルデヒドがすぐにヒドリドイオンによる求核付加で還元され、アルコール(R-CH2-OH)を生成する。

 

カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回問104の2,4,5

 

 

◆ 5について
カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回問104の2,4,5

 

主生成物の構造は誤りである。
エステル(R1-CO-O-R2)のLiAlH4による還元では、まずヒドリドイオン(H−)による求核アシル置換反応によりアルデヒド(R1-CO-H)が生成する。さらに、生成したアルデヒドがすぐにヒドリドイオンによる求核付加で還元され、アルコール(R1-CH2-OH)を生成する。

 

カルボン酸,酸無水物,エステルのLiAlH4によるヒドリド還元 99回問104の2,4,5

 

★他サイトさんの解説へのリンク
第99回問104(e-RECさん)

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