カルボン酸とアミンの脱水縮合でアミド合成 DCC 92回薬剤師国家試験問10c

第92回薬剤師国家試験 問10c
無水酢酸を試薬に用いる反応Uに関する記述の正誤を判定してみよう。

 

カルボン酸とアミンの脱水縮合でアミド合成 DCCは縮合剤 92回問10c

 

c 反応Uで無水酢酸の代わりに酢酸を用いることができる。

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第92回薬剤師国家試験 問10c

 

カルボン酸とアミンの脱水縮合でアミド合成 DCCは縮合剤 92回問10c

 

c × 反応Uで無水酢酸の代わりに酢酸を用いることができる。

 

カルボン酸は酸塩化物や酸無水物に比べて求核アシル置換反応の反応性は低い。
また、カルボン酸は塩基と酸塩基反応を起こしやすい。
よって、反応Uにおいて、無水酢酸の代わりにカルボン酸である酢酸を用いてD(アミド)を生成するには反応条件を変える必要がある。

 

カルボン酸とアミンからアミドを合成する方法の1つとして、カルボン酸とアミンで酸塩基反応を起こさせてカルボン酸アンモニウム塩を生成し、これを加熱して脱水させるとアミドが生成する方法がある。

 

カルボン酸とアミンの脱水縮合でアミド合成 DCCは縮合剤 92回問10c

 

 

他、カルボン酸とアミンを、カルボジイミド誘導体やジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)といった縮合剤を用いて脱水縮合してアミドを生成する方法もある。

 

カルボン酸とアミンの脱水縮合でアミド合成 DCCは縮合剤 92回問10c

 

なお、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の構造は下記の通り。

 

カルボン酸とアミンの脱水縮合でアミド合成 DCCは縮合剤 92回問10c

 

このように、カルボン酸とアミンを直接反応させてアミドを生成する方法はあるが、アミドの合成には反応性の高い酸塩化物や酸無水物にアミンを反応させる方が効率の良い方法である。

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