酸塩化物のNaBH4によるヒドリド還元 99回薬剤師国家試験問104の3

第99回薬剤師国家試験 問104の3
下記の反応において主生成物の構造の正誤を判定してみよう。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施してある。

 

酸塩化物のNaBH4によるヒドリド還元 99回問104の3

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第99回薬剤師国家試験 問104の3 解答解説

 

酸塩化物のNaBH4によるヒドリド還元 99回問104の3

 

主生成物の構造は正しい。
酸ハロゲン化物は反応性が高いので、還元力が相対的に弱いNaBH4でもアルコールに還元することができる。
ヒドリド還元剤の選択については下記のリンク先を参照
ヒドリド還元剤の選択について

 

 

★ カルボン酸・カルボン酸誘導体を基質とした求核アシル置換反応

 

カルボン酸・カルボン酸誘導体を基質とする求核アシル置換反応については下記のリンク先を参照
カルボン酸・カルボン酸誘導体の求核アシル置換反応の概要

 

★ ヒドリドイオン(H−)またはアルキルアニオン(R−)が求核剤の場合は、2回求核攻撃が起こることに注意

 

カルボン酸・カルボン酸誘導体に対して求核試薬(Nu)としてヒドリドイオン(H−)やグリニャール試薬等由来のアルキルアニオン(R−)が求核攻撃する場合は、求核アシル置換反応の生成物がアルデヒド(R-CO-H)またはケトン(R1-CO-R2)であり、
これら生成物に対して追加的に求核試薬が付加反応を起こすことに注意が必要である。

 

設問の反応は酸塩化物の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)由来のヒドリドイオン(H−)による還元である。
カルボン酸またはアミド以外のカルボン酸誘導体(R1-CO-L)にヒドリドイオン(H−)を反応させると、求核アシル置換反応の結果、R1-CO-Lにおいて脱離基(L)が水素(H)に置換したアルデヒド(R1-CO-H)が生成する。さらに、生成したアルデヒド(R1-CO-H)に対してヒドリドイオン(H−)が求核付加してアルコキシドイオンが生成し、続いてそれがプロトン化され、最終的に1級アルコール(R1-CH2-OH)を生成する。

 

酸塩化物のNaBH4によるヒドリド還元 99回問104の3

 

★他サイトさんの解説へのリンク
第99回問104(e-RECさん)

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