アミドとエステルの安定性 アミドのエステル化の反応性 94回薬剤師国家試験問10b

第94回薬剤師国家試験 問10b
酢酸誘導体A,Bに関する記述bの正誤を判定してみよう。

 

アミドとエステルの安定性 アミドのエステル化の反応性 94回問10b

 

b Bをエタノールに溶かし、室温で1時間放置するとAが生成する。

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第94回薬剤師国家試験 問10b 解答解説

 

アミドとエステルの安定性 アミドのエステル化の反応性 94回問10b

 

b × Bをエタノールに溶かし、室温で1時間放置するとAが生成する。

 

カルボン酸誘導体の種類間の求核アシル置換反応の反応性について、反応性の高いものから(反応速度が速いものから)、
酸ハロゲン化物>酸無水物>エステル>アミドと並ぶ。
一方、カルボン酸誘導体の安定性について、反応性の序列とは逆で、安定性の高いものから、
アミド>エステル>酸無水物>酸ハロゲン化物と並ぶ。

 

アミドとエステルの安定性 アミドのエステル化の反応性 94回問10b

 

安定性が低いもの(反応性が高いもの)から安定性が高いもの(反応性が低いもの)を生成することは比較的容易で合理的である。

 

しかし、安定性が高いもの(反応性が低いもの)から安定性が低いもの(反応性が高いもの)を生成することは容易ではなく、反応を進めるには厳しい条件が必要であり、非合理的である。
ただ、生体内では触媒の働きにより、温和な条件でもアミドの加水分解など高安定性のものから低安定性のものへの変換が進められている。

 

設問の化合物AとBの安定性(反応性)の比較について、

 

アミドとエステルの安定性 アミドのエステル化の反応性 94回問10b

 

アミドであるBはエステルであるAよりも安定性が高い(反応性が低い)。
よって、相対的に安定性の高いBのアミドを安定性の低いエステルに変換するには厳しい反応条件が必要である。
アミドを酸触媒下、大過剰のアルコールと共に加熱するとエステルが生成する。

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