可逆(平衡)、平行(並発)、連続(逐次)反応の速度 103回薬剤師国家試験問93
103回薬剤師国家試験 問93
下のグラフは、可逆(平衡)反応(T)、平行(並発)反応(U)、連続(逐次)反応(V)における反応物、中間体及び生成物の濃度と時間の関係を表している。素反応がいずれも反応速度定数k1 〜 k6 の一次反応であるとき、反応T〜Vに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 反応Tの平衡定数の値は、1よりも小さい。
4 反応Vのk 5 が一定のとき、k 6 が大きくなるほど、Gの最大濃度に達する時間は遅くなる。
103回薬剤師国家試験 問93 解答解説
◆ 1について
1 〇 反応Tの平衡定数の値は、1よりも小さい。
反応Tについて、
正逆反応とも1次反応で進行するので、
正反応と逆反応の反応速度は次のように表される。
平衡状態では、正反応と逆反応の反応速度は等しくなり、
次式が成り立つ。
設問の図Tより、
平衡状態において、
[A]eq<[B]eqであるので、
平衡定数Kは1より大きいと考えられる。
◆ 2,3について
Uの平行(並発)反応について、
全ての素反応は一次反応であるので、
各反応速度は以下のように表される。
また、
Cの消失速度定数(kC )について、
kC = k3 + k4
であることから、
Cの半減期(t1/2C )について次式が成り立つ。
◆ 4について
4 × 反応Vのk 5 が一定のとき、k 6 が大きくなるほど、Gの最大濃度に達する時間は遅くなる。
→ 〇 反応Vのk 5 が一定のとき、k 6 が大きくなるほど、Gの最大濃度に達する時間は速くなる。
Vの連続反応(逐次反応)において、
k 5 が一定のとき、k 6 が大きくなるほど、
Gの濃度の最大値は小さくなり、
Gの濃度の最大値に到達する時間は短くなる。
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