96回薬剤師国家試験問166 0次反応と1次反応の薬物濃度が等しくなるのは溶液調製何ケ月後か
96回薬剤師国家試験 問166
水溶液中において、薬物Xは0次反応速度式に従い、薬物Yは1次反応速度式に従い分解する。濃度C0の薬物X及びYそれぞれの水溶液を調製して、一定条件下で保存したところ、3ケ月後に薬物X及びYの濃度はそれぞれ、5/8 C0、1/2 C0になった。
両薬物の濃度が等しくなるのは溶液調製何ケ月後か。最も近い値はどれか。
1 2
2 4
3 6
4 8
5 10
96回薬剤師国家試験 問166 解答解説
正解は選択肢3の6である。
◆ 薬物Xの分解速度
薬物Xは0次反応速度式に従い分解する。
0次反応の微分型速度式は次式で表される。
また、
0次反応の積分型速度式は次式で表される。
C = C0 − k・t
よって、0次反応について、
反応速度は濃度に依存せず一定であり、
分解反応では時間経過に対して薬物の濃度は直線的に減少していく。
薬物Xは0次反応速度式に従い分解し、
3か月で濃度は初濃度C0の5/8になる。
したがって、Xの濃度は1か月ごとに1/8C0ずつ減少していく。
◆ 薬物Yの分解速度
薬物Yは1次反応速度式に従い分解する。
一次反応の半減期(t1/2)は次式で表される。
よって、一次反応では、
半減期は濃度によらず一定である。
薬物Yの分解は一次反応に従い、
3か月で濃度は初濃度C0の1/2になる。
よって、薬物Yの半減期は3か月である。
以上より、
X,Yの分解について、
濃度C0から始まり、
時間経過に対する濃度の推移を追っていくと、
6か月後にXとYの濃度は共に1/4 C0で等しくなる。