ラングミュアの吸着等温式の誘導 106回薬剤師国家試験問100
106回薬剤師国家試験 問100
以下の図と文章は、化学吸着における単分子層形成を表すラングミュアの吸着等温式(式1)の誘導についてのものである。文章中のア及びイにあてはまる式の正しい組合せはどれか。1つ選びなさい。
106回薬剤師国家試験 問100 解答解説
正解は5である。
吸着質の濃度をC、吸着媒の吸着サイトの全数をΓ∞、
吸着質が占有している吸着サイトの数をΓとする。
上図では、Γ∞= 10、Γ = 5 の場合を示す。
吸着媒に対する吸着質の吸着過程の速度定数をk 1、
脱着過程の速度定数をk −1 とし、吸着平衡が成立していれば、
吸着速度と脱着速度は等しいから、
【ア: k1C(Γ∞−Γ) = k−1Γ 】の関係が成り立つ。
アを変形すると、式1が得られる。
ただし、K = 【イ: k1/ k−1 】であり、この値は吸着質と吸着媒の親和性を表し、大きいほど親和性が高い。
以下、解説
吸着媒に対する吸着質の吸着過程の速度は、
吸着質の濃度と空の吸着サイトの数に比例するので、
吸着媒の吸着サイトの全数をΓ∞、吸着質が占有している吸着サイトの数をΓとすると、下記の式で表される。
吸着速度 = k1・C・(Γ∞−Γ)
k1:吸着過程の速度定数 C:吸着質の濃度
Γ∞−Γ=空の吸着サイト数
脱着過程の速度は、
吸着質が占有している吸着サイトの数に比例するので、
下記の式で表される。
脱着速度 = k−1・Γ
k−1:脱着過程の速度定数
Γ:吸着質が占有している吸着サイトの数
吸着平衡が成立していれば、吸着速度と脱着速度は等しいから、
次の式アが成り立つ。
k1・C・(Γ∞−Γ) = k−1・Γ …ア
式アを変形すると次の式1が成り立つ。
式1をラングミュアの吸着等温式と呼ぶ。
式中のKは吸着平衡定数であり、次式で表される。
K = k1/ k−1
この値は吸着質と吸着媒の親和性を表し、大きいほど親和性が高い。
★ 他サイトさんの解説リンク
106回問100(e-RECさん)