X → 2Yの反応速度 105回薬剤師国家試験問95
105回薬剤師国家試験 問95
ある分子X(初濃度100 mmol/L)が分解して2分子のY(初濃度0 mmol/L)が生成する反応
X → 2Y
において、
下のグラフはXの濃度の時間変化を表す。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 横軸の時間10分でのYの濃度は、同じ時間のXの濃度の2倍である。
2 この分解反応は、一次反応である。
3 この分解反応の速度定数の符号は負である。
4 同じ時間でのXとYの濃度変化曲線の接線の傾きの絶対値は等しい。
5 Xの濃度が初濃度の1/2になるまでにかかる時間は、Yの濃度が100 mmol/Lから150 mmol/L になるまでにかかる時間と等しい。
105回薬剤師国家試験 問95 解答解説
◆ 1について
1 × 横軸の時間10分でのYの濃度は、同じ時間のXの濃度の2倍である。
時間10分でのXの濃度はおおまかに60mmol/Lと読み取れる。
よって、開始から10分で、
Xの濃度は100mmol/L→60mmol/Lと、
40mmol/L近く低下したことになる。
X → 2Y より、
1分子のXから2分子のYが生成するので、
開始から10分で、Yの濃度は、
40mmol/L×2 = 80mmol/Lぐらいだと考えられる。
◆ 2について
2 〇 この分解反応は、一次反応である。
図より、Xの濃度について、
100 mmol/L→50 mmol/Lに半減するのに要した時間は15分であり、
50 mmol/L→25 mmol/Lに半減するのに要した時間も15分である。
Xの半減期は濃度によらず一定なので、
Xの分解反応は一次反応だと考えられる。
◆ 3について
3 × この分解反応の速度定数の符号は負である。
→ 〇 この分解反応の速度定数の符号は正である。
◆ 4について
4 × 同じ時間でのXとYの濃度変化曲線の接線の傾きの絶対値は等しい。
XおよびYの濃度変化曲線の任意の時間における接線の傾きは、
その時間におけるXの消失速度、および、
Yの生成速度に等しい。
設問の反応は、
X → 2Y
であるため、
同じ時間において、
Yの生成速度はXの消失速度の2倍である。
よって、
同じ時間において、
Yの濃度変化曲線の接線の傾きの絶対値は
Xの濃度変化曲線の接線の傾きの絶対値の2倍である。
◆ 5について
5 〇 Xの濃度が初濃度の1/2になるまでにかかる時間は、Yの濃度が100 mmol/Lから150 mmol/L になるまでにかかる時間と等しい。
設問のグラフよりXの半減期は15分である。
また、
X → 2Y より、
1分子のXから2分子のYが生成する。
これらのことを踏まえると、
時間経過に対するXとYの濃度の推移は下記の表のようになると考えらえる。
以上より、
Xの濃度が初濃度の1/2になるまでにかかる時間は15分であり、
Yの濃度が100 mmol/Lから150 mmol/L になるまでにかかる時間も15分である。
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