86回薬剤師国家試験問166 0次反応と1次反応の濃度の推移
86回薬剤師国家試験 問166
水溶液中において、薬物Aは1次反応速度式に従い、薬物Bは0次反応速度式に従って分解する。濃度C0の薬物A、Bそれぞれの水溶液を調製して、一定条件下で保存したところ、1年後に両者とも濃度が1/2C0となった。さらに、同一条件で保存し続けたところ、分解反応が進行し、ある時点で薬物Bの濃度は0になった。その時点での薬物Aの濃度として正しいものはどれか。
1 0
2 1/4C0
3 1/8C0
4 C0 ln2
5 1/2C0 ln2
86回薬剤師国家試験 問166 解答解説
正解は2の1/4C0である。
薬物Aの分解は1次反応に従い、薬物Bの分解は0次反応に従う。
0次反応,1次反応のの特徴は下記のリンク先を参照
0次反応の速度式,半減期,グラフ
問題文に「濃度C0の薬物A、Bそれぞれの水溶液を調製して…1年後に両者とも濃度が1/2C0となった」とある。
これより、薬物Aの分解は1次反応に従い、
その半減期は初濃度に無関係であるので、
Aの半減期は1年だとわかる。
また、薬物Bの分解は0次反応に従うことから、
1年ごとに濃度は1/2C0ずつ低下するとわかる。
よって、薬物Bについて、初濃度がC0の場合、
2年経過した時点で薬物Bの濃度は0になる。
Aの半減期は1年であることから、
初濃度がC0の場合、
2年経過すると、その濃度は、
C0 ・(1/2) 2 = 1/4C0
となる。