二次反応速度式 kの次元 92回薬剤師国家試験問21
92回薬剤師国家試験 問21
物質Xが物質Yへと変化する反応が二次反応速度式に従うとする。この反応に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。
a 反応速度はXの濃度とYの濃度との積に比例する。
b 反応温度が一定のとき、Xの半減期はXの初濃度に逆比例する。
c 反応速度定数kの次元は(時間)−1である。
d Xの濃度の逆数は時間とともに直線的に増加する。
92回薬剤師国家試験 問21 解答解説
◆ aについて
a × 反応速度はXの濃度とYの濃度との積に比例する。
→ 〇 反応速度はXの濃度の2乗に比例する。
反応X→Yが二次反応に従う時、
二次反応の反応速度について、次式が成り立つ。
上式より、二次反応の反応速度は反応物の濃度の二乗に比例する。
◆ bについて
b 〇 反応温度が一定のとき、Xの半減期はXの初濃度に逆比例する。
二次反応の半減期(t1/2)は次式で表される。
◆ cについて
c × 反応速度定数kの次元は(時間)−1である。
→ 〇 2次反応の反応速度定数kの次元は、(時間)−1・(濃度)−1である。
反応速度定数kの次元を知るには、
微分型速度式をk=○○の式に変換すればよい。
二次反応の微分型速度式は次式で表される。
k=〇〇の式にするために両辺をC2で割ると、
次のようになる。
上式より、2次反応の反応速度定数kの次元は、
(時間)−1・(濃度)−1だとわかる。
◆ dについて
d 〇 Xの濃度の逆数は時間とともに直線的に増加する。
二次反応の積分型速度式は下記の通り。
上式より、二次反応において、
反応物の濃度の逆数1/Cを反応時間に対してプロットすると、
傾きがkの右上がりの直線が得られる。