ジルチアゼムの合成 108回薬剤師国家試験問101
108回薬剤師国家試験 問101
日本薬局方収載医薬品ジルチアゼムは、化合物Ａから化合物Ｂを経て合成される。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 酸素原子ウは、ジルチアゼム分子内には存在しない。
2 酸素原子エは、主に酸素原子イ由来である。
3 酸素原子オは、主に酸素原子ウ由来である。
4 酸素原子カは、主に酸素原子ア由来である。
5 化合物Ｂは、化合物Ａからの転位反応による生成物である。
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108回薬剤師国家試験 問101 解答解説
まず、AからBへの変化について、
Aの分子内において、エステルのカルボニル炭素に対し、
求核試薬として芳香族第1級アミンが反応し、
求核アシル置換反応（求核付加−脱離反応）の結果、アミドが生成している。
この反応において、Aの酸素原子ウは、脱離するメタノールの酸素として外れ、
酸素原子イはカルボニル酸素としてそのまま残る。
酸素原子アは反応していないのでそのまま残る。
次に、Bからジルチアゼムへの変化について、
Bのヒドロキシ基と外来の酢酸誘導体が反応し、求核アシル置換反応の結果、エステルが生成する。
このエステルについて、
酸素原子オは、酸素原子ア由来であり、
酸素原子カは、外来の酢酸誘導体のカルボニル酸素由来である。
ジルチアゼムの酸素原子エは、酸素原子イ由来である。
以上より、選択肢の記述の正誤は以下の通り。
1 〇 酸素原子ウは、ジルチアゼム分子内には存在しない。
2 〇 酸素原子エは、主に酸素原子イ由来である。
3 × 酸素原子オは、主に酸素原子ウ由来である。
→ 〇 酸素原子オは、主に酸素原子ア由来である。
4 × 酸素原子カは、主に酸素原子ア由来である。
酸素原子カは、主に外来の酢酸誘導体のカルボニル酸素由来である。
5 × 化合物Ｂは、化合物Ａからの転位反応による生成物である。
→ 〇 化合物Bは、化合物Aの分子内における求核アシル置換反応（求核付加−脱離反応）による生成物である。
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