酸性の強さの比較 106回問薬剤師国家試験102

第106回薬剤師国家試験 問102
酸性の強さを比較したもののうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。ただし、第一解離のみを比較するものとする。

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題集 科目別まとめ一覧 へ

 

薬剤師国家試験過去問題集 化学 酸性度・塩基性度 へ

 

第106回薬剤師国家試験 問102 解答解説

 

◆ 1について

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

上記の酸性度の比較は誤りである。
酸性度の比較は、正しくは、
CH3SH > CH3OH
である。

 

酸素Oと硫黄Sは同族元素である。
同族元素に結合する水素の酸性度の比較では、共役塩基のアニオンにおいて、原子半径が大きいほど(周期表で下に位置する元素ほど)、負電荷の分散する範囲が広く、共役塩基の安定性は高いと考えられる。

 

以上より、
CH3SHとCH3OHの酸性度の比較は下記の通り。

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

 

◆ 2について

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

上記の酸性度の比較は誤りである。
酸性度の比較は、正しくは、

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

本問を、塩基の共役酸の酸性度の比較と考える。

 

塩基の塩基性とその共役酸の酸性度の関係は下記の通り。

 

塩基の塩基性が強い⇔共役酸の酸性度が弱い
塩基の塩基性が弱い⇔共役酸の酸性度が強い

 

本問の酸性度の比較は下記のように考えられる。

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

 

◆ 3について

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

上記の酸性度の比較は誤りである。
酸性度の比較は、正しくは、

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

酸の酸性度とその共役塩基の負電荷の安定性・塩基性度との関係は下記の通り。

 

・酸の酸性が強い⇔共役塩基の負電荷の安定性が高く塩基性が弱い

 

・酸の酸性が弱い⇔共役塩基の負電荷の安定性が低く塩基性が強い

 

 

ハロゲンであるフッ素の電子求引性誘起効果により、共役塩基の負電荷の安定性は高まり、元の酸の酸性は強くなる。

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

 

◆ 4について

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

上記の酸性度の比較は正しい。

 

アンモニウムの電子求引性誘起効果により、共役塩基の負電荷の安定性は高まり、元の酸の酸性は強くなる。

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

 

◆ 5について

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

 

上記の酸性度の比較は正しい。

 

置換基による誘起効果は、官能基との距離が近いほど強い。

 

詳細は下記のリンク先を参照
置換基の誘起効果の官能基との距離による変化

 

ハロゲンは電子求引性誘起効果を与える。
ClとCOOHとの距離が近いほど、COOHに対するClの電子求引性誘起効果が強く働き、共役塩基のCOO−の負電荷の安定性は高くなり、元の酸のCOOHの酸性度は強くなる。

 

酸性の強さの比較したもののうち… 106回問薬剤師国家試験102

トップへ戻る