脱離して生じるアニオンの塩基性,共役酸のpKaと反応性 106回問薬剤師国家試験問104の2

第106回薬剤師国家試験 問104の2
次の反応と生成物に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

脱離して生じるアニオンの塩基性,共役酸のpKaと反応性 106回問薬剤師国家試験問104の2

 

2 破線で囲んだ部分構造aよりも部分構造bの方が、脱離して生じるアニオンの共役酸のpKa が小さい。

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題集 科目別まとめ一覧 へ

 

薬剤師国家試験過去問題集 化学 酸性度・塩基性度 へ

 

第106回薬剤師国家試験 問104の2 解答解説

 

脱離して生じるアニオンの塩基性,共役酸のpKaと反応性 106回問薬剤師国家試験問104の2

 

2 〇 破線で囲んだ部分構造aよりも部分構造bの方が、脱離して生じるアニオンの共役酸のpKa が小さい。

 

脱離基が脱離して生じるアニオンの安定性が高く塩基性が弱いほど(脱離して生じる化学種の共役酸のpKaが小さいほど)、その脱離基は脱離しやすい。

 

脱離基同士の脱離のしやすさを比較するには、脱離して生じるアニオンの塩基性度を比較するか、または、脱離して生じる化学種の共役酸の酸性度(pKa)を比較すればよい。

 

部分構造aとbについて、脱離して生じるアニオンの塩基性度、または、脱離して生じるアニオンの共役酸の酸性度(pKa)の比較は下記の通り。

 

脱離して生じるアニオンの塩基性,共役酸のpKaと反応性 106回問薬剤師国家試験問104の2

 

反応の進みやすさと脱離基の脱離のしやすさについて、
部分構造aに比べ、部分構造bは脱離して生じるアニオンの塩基性が弱く安定性が高い(脱離して生じるアニオンの共役酸のpKaは小さいので)、部分構造bの方が脱離する反応の方が進みやすいと考えられる。

 

脱離して生じるアニオンの塩基性,共役酸のpKaと反応性 106回問薬剤師国家試験問104の2

 

また、部分構造aが脱離して生じるアニオンであるアミドイオンは塩基性が強く不安定なので、aが脱離する反応は進みにくいと考えられる。

トップへ戻る