イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b

第96回薬剤師国家試験 問11b
イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述bの正誤を判定してみよう。
イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b
b. ア〜エの窒素のうち、最も塩基性が強い窒素はアである。

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第96回薬剤師国家試験 問11b 解答解説
イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b
b. 〇 ア〜エの窒素のうち、最も塩基性が強い窒素はアである。

 

ア〜エの窒素の塩基性の比較のポイントを下記の@〜Bで示す。

 

 

@ アミドの窒素は塩基性を示さない。
イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b
イとエの窒素はアミドの窒素であるが、アミドの窒素は塩基性を示さない。

 

アミドの窒素は、非共有電子対が共鳴によりカルボニルとの間で非局在化する。

 

イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b

 

また、アミドの窒素は、隣接するカルボニルの電子求引性電子効果により電子密度が低下している。

 

イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b

 

以上のことから、
アミドの窒素は塩基性をほとんど示さない。

 

 

A 窒素の非共有電子対が入る混成軌道のs性が低いほど塩基性が強い。
イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b

 

窒素の非共有電子対が供与されやすいほど窒素の塩基性は強い。
一般に、軌道のs性が高いほど電子が原子核の近くを通り、電子は原子核の+に引き付けられる。よって、窒素の非共有電子対の軌道のs性が高いほど原子核の引力が強く、その非共有電子対は供与されにくく、窒素の塩基性は弱い。非共有電子対のs性が低いほど原子核の引力が弱く、その非共有電子対は供与されやすく、窒素の塩基性は強い。

 

混成軌道のs性の高さについて、
s性の高いものから、sp3>sp2>sp である。

 

よって、非共有電子対が入る軌道のs性と塩基性の高さについて、
塩基性の強いものから、sp3>sp2>spとなる。

 

イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b

 

 

アの窒素は非共有電子対がsp3に収容されている
ウの窒素は非共有電子対がsp2に収容されている。

 

イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b

 

 

よって、アはウより塩基性が強い。

 

 

B 窒素にアルキル基が結合すると電子供与性電子効果により塩基性が強くなる。
イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b
窒素は電子密度が高いほど塩基性が強い。
アルキル基は電子供与性の誘起効果を与える。供与可能な非共有電子対を持つ窒素にアルキル基が結合すると、アルキル基の電子供与性電子効果により窒素の電子密度が高まることから、窒素の塩基性が強まる。

 

アの窒素にはアルキル基が3つ結合しており、アルキル基の電子供与性電子効果により窒素の電子密度が高まり、塩基性は強くなっている。

 

イリノテカンの窒素の塩基性の比較 薬剤師国家試験96回問11b

 

★参考外部サイトリンク
酸・塩基の定義(猫でもわかる有機化学さん)

 

酸・塩基の平衡(猫でもわかる有機化学さん)

 

塩基性の強弱(猫でもわかる有機化学さん)

 

含窒素化合物の塩基性度(薬学これでOK!さん)

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