ピリジンとピロリジンの塩基性 非共有電子対の混成軌道と塩基性 96回薬剤師国家試験問9b

第96回薬剤師国家試験 問9b
ピリジンに関する記述の正誤を判定してみよう。

 

b ピリジンはピロリジンより塩基性が弱い。

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薬剤師国家試験過去問題集 化学 芳香族化合物

 

第96回薬剤師国家試験 問9b 解答解説

 

b ○ ピリジンはピロリジンより塩基性が弱い。

 

ピリジンの窒素原子上の非共有電子対(孤立電子対)はsp2混成軌道に収容されており、他の原子に供与することができるものなのでピリジンは塩基性を示す。

 

ピロリジンの窒素原子の非共有電子対はsp3混成軌道に入っており、他原子に供与可能なので塩基性を示す。
さらに、ピロリジンでは、アルキル基による電子供与性電子効果で供与可能な非共有電子対を持つ窒素原子の電子密度が高まっていることから、塩基性が強くなっている。

 

非共有電子対が収容される軌道のs性が低いほど塩基性は強くなる。非共有電子対が入る軌道は、ピリジンでsp2
、ピロリジンでsp3であり、軌道のs性はsp2>sp3なので、ピロリジンの方が塩基性は強い。

 

★ N原子の非共有電子対が入る混成軌道のs性が低いほど塩基性が強い。

 

一般に、軌道のs性が高いほど電子が原子核の近くを通り、電子は原子核の+に引き付けられる。よって、非共有電子対の軌道のs性が高いほど供与されにくい電子であり塩基性は弱く、非共有電子対のs性が低いほど供与されやすい電子であり塩基性は強い。
混成軌道のs性の高さについて、
s性の高いものから、sp3>sp2>sp である。

 

よって、N原子の非共有電子対が入る軌道のs性と塩基性の高さについて、
塩基性の強いものから、sp3>sp2>spとなる。

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