82回薬剤師国家試験問34 液体クロマトグラフ法に関する記述

82回薬剤師国家試験 問34
液体クロマトグラフ法に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。

 

a 液体クロマトグラフ法における溶質の分離機構には吸着、イオン交換、分配、分子ふるいなどがある。

 

b 逆相(reverse phase)クロマトグラフ法の固定相の極性は、順相(normal phase)クロマトグラフ法の固定相の極性に比べて小さい。

 

c 類似した構造の化合物群に逆相クロマトグラフ法を適用するとき、疎水性の大きい化合物ほど保持時間が小さい。

 

d 移動相中の有機溶媒の含量は、保持時間の大きさに影響を与えない。

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82回薬剤師国家試験 問34 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 液体クロマトグラフ法における溶質の分離機構には吸着、イオン交換、分配、分子ふるいなどがある。

 

液体クロマトグラフィーの分離モードとしては他にアフィニティーモードがある。
アフィニティークロマトグラフィーは、抗原と抗体,酵素と基質などのように生物学的親和性を利用して試料中の成分を分離する。

 

なお、ガスクロマトグラフィーの分離機構は吸着と分配の2つである。
下記のリンク先を参照
ガスクロマトグラフィーの分離機構(モード) 90回問27の2,3

 

 

◆ bについて
b 〇 逆相(reverse phase)クロマトグラフ法の固定相の極性は、順相(normal phase)クロマトグラフ法の固定相の極性に比べて小さい。

 

詳細は下記のリンク先を参照
順相系と逆相系の固定相の極性 82回問34b

 

 

◆ c,dについて
c × 類似した構造の化合物群に逆相クロマトグラフ法を適用するとき、疎水性の大きい化合物ほど保持時間が小さい。
→ 〇 類似した構造の化合物群に逆相クロマトグラフ法を適用するとき、疎水性の大きい化合物ほど保持時間が大きい。

 

d × 液体クロマトグラフィーの移動相中の有機溶媒の含量は、保持時間の大きさに影響を与えない。
移動相中の有機溶媒の含量を変えると、
移動相の極性が変わるので、
溶質の保持時間が変わってくる。

 

詳細は下記のリンク先を参照
逆相クロマトグラフィー 移動相の極性・温度変化と分離 92回問26

 

なお、ガスクロマトグラフィーにおいては、
移動相の種類によって試料成分の溶出の順序は変化しない。
下記のリンク先を参照
ガスクロマトグラフィーの移動相と溶出順 86回問29ab

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