86回薬剤師国家試験問29 ガスクロマトグラフィー
86回薬剤師国家試験 問29
ガスクロマトグラフ法に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。
a 本法の移動相はキャリヤーガスとよばれ、窒素、水素、アルゴン、ヘリウムなどが使用される。
b 本法においては、移動相の種類によって試料成分の溶出の順序が変化する。
c 本法で用いられる充填剤は、吸着形、イオン交換形、分配形の3種類に大別される。
d 水素炎イオン化検出器は、C-N結合を有する有機化合物のみを検出する。
e 通例、定量は絶対検量線法によるが、被検成分以外の成分の影響が無視できない場合は内標準法による。
86回薬剤師国家試験 問29 解答解説
◆ a,bについて
a 〇 ガスクロマトグラフ法の移動相はキャリヤーガスとよばれ、窒素、水素、アルゴン、ヘリウムなどが使用される。
b × ガスクロマトグラフ法においては、移動相の種類によって試料成分の溶出の順序が変化する。
ガスクロマトグラフィーの移動相は無極性の不活性ガスであるため、移動相の種類によって成分の溶出の順序が変化することはない。
下記のリンク先を参照
ガスクロマトグラフィーの移動相 86回問29ab
◆ cについて
c × 本法で用いられる充填剤は、吸着形、イオン交換形、分配形の3種類に大別される。
ガスクロマトグラフィーの分離機構(モード)は吸着と分配の2つであり、
イオン交換はない。
ガスクロマトグラフィーの分離機構(モード) 90回問27の2,3
◆ dについて
d 水素炎イオン化検出器は、C-N結合を有する有機化合物のみを検出する。
→ 〇 水素炎イオン化検出器は、C-H結合を有する有機化合物のみを検出する。
詳細は下記のリンク先を参照
水素炎イオン化検出器(FID)の特徴 92回問25d
◆ eについて
e × 通例、定量は絶対検量線法によるが、被検成分以外の成分の影響が無視できない場合は内標準法による。
クロマトグラフィーの定量は、通例、内標準法によるが、適当な内標準物質が得られない場合は絶対検量線法による。
さらに、被検成分以外の成分の影響が無視できない場合は標準添加法による。