90回薬剤師国家試験問28 クロマトグラフィーによる物質の定量
90回薬剤師国家試験 問28
高速液体クロマトグラフ法による物質の定量に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 内標準法は標準添加法ともよばれ、定量結果に対して被検成分以外の成分の影響が無視できない場合に適している。
b 内標準法を用いて定量を行う場合、作成する検量線の縦軸には被検成分のピーク面積又はピーク高さをとる。
c 内標準物質としては、被検成分に近い保持時間をもち、いずれのピークとも完全に分離する安定な物質が適している。
d 絶対検量線法を用いて定量を行う場合、注入操作などの測定操作を厳密に一定の条件に保つ必要はない。
e ピーク面積の測定を行う場合、ピーク高さの中点におけるピーク幅にピーク高さを乗じてピーク面積を求めることができる。
90回薬剤師国家試験 問28 解答解説
◆ aについて
a × 内標準法は標準添加法ともよばれ、定量結果に対して被検成分以外の成分の影響が無視できない場合に適している。
試料中に含まれる被検成分以外の成分の影響が無視できない場合に適するのは、標準添加法である。
標準添加法と内標準法は異なる定量法である。
クロマトグラフィーの定量は、通例、内標準法によるが、
適当な内標準物質が得られない場合は、絶対検量線法による。
被検成分以外の成分の影響が無視できない場合は、標準添加法による。
◆ bについて
b × 内標準法を用いて定量を行う場合、作成する検量線の縦軸には被検成分のピーク面積又はピーク高さをとる。
→ 〇 内標準法を用いて定量を行う場合、作成する検量線の縦軸には被検成分のピーク面積の比又はピーク高さの比をとる。
◆ cについて
c 〇 内標準物質としては、被検成分に近い保持時間をもち、いずれのピークとも完全に分離する安定な物質が適している。
◆ dについて
d × 絶対検量線法を用いて定量を行う場合、注入操作などの測定操作を厳密に一定の条件に保つ必要はない。
絶対検量線法では、注入操作などの測定操作を厳密に一定の条件に保つ必要がある。
一方、内標準法では、注入操作などの測定操作を厳密に一定の条件に保つ必要はない。
◆ eについて
e 〇 ピーク面積の測定を行う場合、ピーク高さの中点におけるピーク幅にピーク高さを乗じてピーク面積を求めることができる(これを半値幅法という)。
★ 参考外部サイトリンク
GC分析の基礎・定量法法(島津製作所さん)