移動相のpHと質量分布比 96回薬剤師国家試験問27d
96回薬剤師国家試験 問27d
固定相としてオクタデシルシリル(ODS)化シリカゲル、移動相としてアセトニトリルと緩衝液(pH3)の混合溶媒を用いて、ベンゼン、トルエン及び安息香酸の分離を液体クロマトグラフィーにより行った。
次の記述の正誤を判定してみよう。
d 移動相中の緩衝液のpHを3から7に変えると、安息香酸のkは小さくなる。
96回薬剤師国家試験 問27d 解答解説
d 〇 移動相中の緩衝液のpHを3から7に変えると、安息香酸の k は小さくなる。
移動相中の緩衝液のpHを3から7に変えると、
安息香酸のカルボキシ基でプロトンが放出されやすくなり、
分子形の割合が減少し、イオン形の割合が増える。
分子形からイオン形に変化すると極性が高くなるので、
低極性固定相のオクタデシルシリル(ODS)化シリカゲルとの親和性は低下し、
固定相に保持されにくくなり、
質量分布比は小さくなる。