固定相としてシリカゲルを用いる吸着クロマトグラフィー 93回薬剤師国家試験問26a
93回薬剤師国家試験 問26a
液体クロマトグラフィーに関する記述の正誤を判定してみよう。
a 固定相としてシリカゲルを用いる吸着クロマトグラフィーでは、塩基性の溶質が先に溶出する。
93回薬剤師国家試験 問26a 解答解説
a × 固定相としてシリカゲルを用いる吸着クロマトグラフィーでは、塩基性の溶質が先に溶出する。
固定相として極性の大きいシリカゲルを用いる吸着クロマトグラフィーでは、
極性の大きい溶質ほど固定相に保持されやすく、遅く溶出し、
極性の小さい溶質ほど固定相に保持されにくく、速く溶出する。
酸性・塩基性で保持時間が左右されるわけではない。
各溶質と固定相との物理吸着の程度の差により溶質を分離するクロマトグラフィーを吸着クロマトグラフィー(吸着モード)と呼ぶ。
液体クロマトグラフィーの吸着モードでは、
主として固定相にシリカゲル,アルミナ(酸化アルミニウム),活性炭,ポリスチレンゲルなど極性の大きい物質が用いられ、
移動相にn-ヘキサン,クロロホルム,ベンゼンなどの極性の小さい溶媒が用いられる。
シリカゲルは分子表面にシラノール基(Si-OH)を持ち、
水素結合を形成することにより、
極性の大きい溶質を吸着することで保持する。
よって、
固定相として極性の大きいシリカゲルを用いる吸着クロマトグラフィー(順相吸着クロマトグラフィー)では、
極性の大きい溶質ほど固定相に保持されやすく、遅く溶出し、
極性の小さい溶質ほど固定相に保持されにくく、速く溶出する。