95回薬剤師国家試験問27 陽イオン交換クロマトグラフィーに関する記述
95回薬剤師国家試験 問27
陽イオン交換クロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 移動相のイオン強度を徐々に上昇させることにより、保持された物質が溶出される。
b 金属イオンの分離では、原子番号の小さい金属のイオンから順に溶出される。
c 塩基性タンパク質の分離では、等電点の低いタンパク質から順に溶出される。
d アミノ酸分析計では、分離されたアミノ酸はニンヒドリンで誘導体化され、蛍光検出される。
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95回薬剤師国家試験 問27 解答解説
◆ aについて
a 〇 移動相のイオン強度を徐々に上昇させることにより、保持された物質が溶出される。
詳細は下記のリンク先を参照
イオン交換クロマトグラフィーでのイオン強度変化と溶出 101回問100の3
◆ bについて
b × 金属イオンの分離では、原子番号の小さい金属のイオンから順に溶出される。
陽イオン交換クロマトグラフィーでは、
正電荷の大きいイオンほど固定相の陽イオン交換体に保持されやすく
(イオン交換平衡定数が大きく)、遅く溶出し、
正電荷の小さいイオンほど固定相の陽イオン交換体に保持されにくく
(イオン交換平衡定数が小さく)、速く溶出する。
よって、
金属イオンの分離において、
原子番号の小さい金属のイオンから順に溶出されるとは限らない。
なお、電荷の等しいイオン同士では、
水和イオン半径の小さいほど、
イオン交換平衡定数は大きい傾向にある。
下記のリンク先を参照
イオン交換平衡定数と水和イオン半径の関係
◆ cについて
c 〇 陽イオン交換クロマトグラフィーによる塩基性タンパク質の分離では、等電点の低いタンパク質から順に溶出される。
詳細は下記のリンク先を参照
陽イオン交換クロマトグラフィーでのアルギニン、グルタミン酸、グリシンの分離 101回問100の2,4
◆ dについて
d × アミノ酸分析計では、分離されたアミノ酸はニンヒドリンで誘導体化され、蛍光検出される。
アミノ酸の検出と誘導体化について、
分離されたアミノ酸は、
ニンヒドリンで誘導体化されて可視部検出されるか、
もしくは、
o-フタルアルデヒドで誘導体化されて蛍光検出される。