日本薬局方ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法 106回薬剤師国家試験問94

106回薬剤師国家試験 問94
日本薬局方において、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法は以下のように規定されている(一部省略)。この定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。

 

ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法 106回薬剤師国家試験問94

 

1 下線部@のように「約」を付けたものは、記載された量の±3%の範囲を意味する。
2 アに入るのは、MS ×QT /QS である。
3 下線部Aの検出に用いる光源は、タングステンランプである。
4 下線部Bの移動相中のアセトニトリルの割合を増やすと、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間は短くなる。
5 イに入るのは、「理論段数」である。

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106回薬剤師国家試験 問94 解答解説
◆ 1について
1 × 下線部@のように「約」を付けたものは、記載された量の±3%の範囲を意味する。
→ 〇 「約」を付けたものは、記載された量の±10%の範囲を意味する。

 

 

◆ 2について
2 〇 アに入るのは、MS ×QT /QS である。

 

ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法 106回薬剤師国家試験問94

 

詳細は下記のリンク先を参照
ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの内標準法による定量 106回問94の2

 

 

◆ 3について
3 × 下線部Aの検出に用いる光源は、タングステンランプである。

 

ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法 106回薬剤師国家試験問94

 

紫外吸光光度法の光源には重水素放電管が用いられる。
下記のリンク先を参照
紫外可視吸光度測定法の光源 92回問33a

 

 

◆ 4について
4 〇 下線部Bの移動相中のアセトニトリルの割合を増やすと、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間は短くなる。

 

ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法 106回薬剤師国家試験問94

 

本問の液体クロマトグラフィーは、
固定相に逆相系のオクタデシルシリル(ODS)化シリカゲルを用い、
移動相にアセトニトリルと酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液の混液を用いているので、
逆相分配クロマトグラフィーである。
移動相の組成について、
緩衝液よりも相対的に極性の低いアセトニトリルの含量を増やすと、
移動相の極性は低下する。

 

逆相クロマトグラフィーで移動相の極性が低下すると、
ヒドロコルチゾンコハク酸エステルのように極性の低い(疎水性の高い)化合物は移動相に分配されやすくなり、
結果、保持時間は短くなる。

 

 

◆ 5について
5 × イに入るのは、「理論段数」である。
→ イに入るのは、「分離度」である。

 

ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法 106回薬剤師国家試験問94

 

分離度が1.5以上の時、2つの成分のピークは完全に分離するとされる。
このことから、クロマトグラフィーのシステムの性能として、分離度は1.5以上で設定される。

 

分離度については下記のリンク先を参照
分離度 89回問28の2,3

 

理論段数については下記のリンク先を参照
理論段数 92回問25a

 

 

★ 他サイトさんの解説リンク
106回問94(e-RECさん)

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