94回薬剤師国家試験問27 日本薬局方ニカルジピン塩酸塩注射液の液体クロマトグラフィーによる定量

94回薬剤師国家試験 問27
日本薬局方ニカルジピン塩酸塩注射液の定量法に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。

 

本品のニカルジピン塩酸塩 (C26H29N3O6・HCl) 約2mgに対応する容量を正確に量り、内標準溶液5 mLを正確に加えた後、メタノールを加えて50 mLとし、試料溶液とする。
別に定量用塩酸ニカルジピンを105 ℃で2時間乾燥し、その約50mgを精密に量り、メタノールに溶かし、正確に50 mLとする。
この液2 mLを正確に量り、内標準溶液5 mLを正確に加えた後、メタノールを加えて50 mLとし、標準溶液とする。
試料溶液及び標準溶液10μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い、内標準物質のピーク面積に対するニカルジピンのピーク面積の比QT 及びQs を求める。

 

94回薬剤師国家試験問27 日本薬局方ニカルジピン塩酸塩注射液の定量法

 

試験条件

 

カラム:内径4.6 mm、長さ15 cmのステンレス管に5 μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

 

移動相:リン酸二水素カリウム1.36 gを水に溶かし、1000 mLとする。この液320 mLにメタノール680 mLを加える。

 

 

a 本定量法では、試料溶液及び標準溶液を厳密に10 μL注入する必要がない。
b ニカルジピン及び内標準物質の分離は、逆相クロマトグラフィーにより行われている。
c 式の「   」に入れるべき数値は1/25である。

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94回薬剤師国家試験 問27 解答解説
◆ aについて
a 〇 本定量法では、試料溶液及び標準溶液を厳密に10 μL注入する必要がない。

 

設問の定量法は内標準法であり、
注入操作などの測定操作を厳密に一定の条件に保つ必要はない。

 

 

◆ bについて
b 〇 ニカルジピン及び内標準物質の分離は、逆相クロマトグラフィーにより行われている。

 

オクタデシルシリル化シリカゲルは逆相系の固定相である。

 

逆相分配クロマトグラフィーについては下記のリンク先を参照
オクタデシルシリル化シリカゲルは逆相系の固定相 103回問99の2

 

 

◆ cについて
c 〇 式の「   」に入れるべき数値は1/25である。

 

試料溶液と標準溶液のニカルジピン塩酸塩の濃度の比=
試料溶液と標準溶液のピーク面積比の比
より立式する。

 

・試料溶液のニカルジピン塩酸塩の濃度を表す式
「本品のニカルジピン塩酸塩 (C26H29N3O6・HCl) 約2mgに対応する容量を正確に量り、内標準溶液5 mLを正確に加えた後、メタノールを加えて50 mLとし、試料溶液とする」とあるので、
採取した試料中のニカルジピン塩酸塩の含量(mg)をWTとおくと、

 

94回薬剤師国家試験問27 日本薬局方ニカルジピン塩酸塩注射液の定量法

 

 

・標準溶液のニカルジピン塩酸塩濃度を表す式
「定量用塩酸ニカルジピンを105 ℃で2時間乾燥し、その約50mgを精密に量り、メタノールに溶かし、正確に50 mLとする。この液2 mLを正確に量り、内標準溶液5 mLを正確に加えた後、メタノールを加えて50 mLとし、標準溶液とする」とあるので、
定量用塩酸ニカルジピンの秤取量 (mg)をWsとすると、

 

94回薬剤師国家試験問27 日本薬局方ニカルジピン塩酸塩注射液の定量法

 

 

試料溶液と標準溶液のニカルジピン塩酸塩の濃度の比=
試料溶液と標準溶液の内標準物質のピーク面積に対するニカルジピンのピーク面積の比
より、

 

94回薬剤師国家試験問27 日本薬局方ニカルジピン塩酸塩注射液の定量法

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