93回薬剤師国家試験問25 分離度と理論段数,理論段高さと流速

93回薬剤師国家試験 問25
カラムクロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいものはどれか。

 

1 カラムクロマトグラフィーで用いられる移動相は、気体、液体又は固体である。
2 カラムクロマトグラフィーで用いられる固定相は、気体又は固体である。
3 分離度は、カラムの理論段数に依存しない。
4 カラムの理論段数は、カラムの長さに依存しない。
5 カラムの理論段高さは、最適流速で最小となる。

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93回薬剤師国家試験 問25 解答解説

◆ 1について
1 × カラムクロマトグラフィーで用いられる移動相は、気体、液体又は固体である。
→ 〇 カラムクロマトグラフィーで用いられる移動相は、気体、液体又は超臨界流体である。移動相として固体は用いられない。

クロマトグラフィーは移動相に用いる物質の状態によって大きく3つに分類される。
移動相に気体を用いるものをガスクロマトグラフィー、
移動相に液体を用いるものを液体クロマトグラフィー、
移動相に超臨界流体を用いるものを超臨界流体クロマトグラフィーと呼ぶ。


◆ 2について
2 × カラムクロマトグラフィーで用いられる固定相は、気体又は固体である。
→ 〇 カラムクロマトグラフィーで用いられる固定相は、液体又は固体である。固定相に気体は用いられない。


◆ 3について
3 × 分離度は、カラムの理論段数に依存しない。

カラムの理論段数が大きいほど、分離度は高い。

下記のリンク先を参照
分離度と理論段数との関係(島津製作所さん)


◆ 4について
4 × カラムの理論段数は、カラムの長さに依存しない。

カラムの理論段数(N)はカラムの長さに比例する。
例えば、カラムの長さが2倍になると、
理論段数は2倍になる。

一方、カラムの理論段高さ(H)はカラムの長さに依存しない。
下記のリンク先を参照
理論段高さとは?カラムの長さの影響は?


◆ 5について
5 〇 カラムの理論段高さは、最適流速で最小となる。

カラムの理論段高さ(H)は移動相の流速に依存する。
理論段高さは移動相の流速が速すぎても遅すぎても良い値とはならない。
カラムの理論段高さは値が小さいほどカラムの分離効率が高いことを示すが、
理論段高さが最小値となる最適流速がある。
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