83回薬剤師国家試験問28 日本薬局方液体クロマトグラフ法
83回薬剤師国家試験 問28
日本薬局方液体クロマトグラフ法に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。
a.物質の確認は、試料の被検成分と標準被検成分の保持時間が一致することにより行うことができる。
b.物質の定量には、内標準法あるいは絶対検量線法を利用する。
c.検出器として紫外吸光光度計を用いたとき、2つの成分が完全に分離され、ピーク面積が同じであれば、2つの成分の含量は同じである。
d.理論段数はカラム中における物質のバンドの広がりの度合いを示す。
83回薬剤師国家試験 問28 解答解説
◆ aについて
a.〇 物質の確認は、試料の被検成分と標準被検成分の保持時間が一致することにより行うことができる。
◆ bについて
b.〇 物質の定量には、内標準法あるいは絶対検量線法を利用する。
クロマトグラフィーの定量は、通例、内標準法によるが、適当な内標準物質が得られない場合は絶対検量線法による。
さらに、被検成分以外の成分の影響が無視できない場合は標準添加法による。
関連問題
クロマトグラフィー 通例、定量は内標準法による 86回問29e
◆ cについて
c.× 検出器として紫外吸光光度計を用いたとき、2つの成分が完全に分離され、ピーク面積が同じであれば、2つの成分の含量は同じである。
クロマトグラフィーの検出器として紫外吸光光度計を用いた場合、
ピーク面積は紫外線の吸光度を反映するが、
2つの成分のピーク面積が同じ(吸光度が同じ)だからといって、
構造や分子量の異なる2つの成分の含量が同じであるとは限らない。
◆ dについて
d.〇 理論段数はカラム中における物質のバンドの広がりの度合いを示す。
理論段数(number of theoretical plates)はカラム内における成分のバンドの広がり度合いを表す指標であり、カラムの分離効率を示す。
理論段数(N)が大きい値を示すほど、優れた分離系である。