ガスクロマトグラフィーに関する記述 109回薬剤師国家試験問100
109回薬剤師国家試験 問100
ガスクロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 電子捕獲検出器は、主にC−H結合を有する有機化合物の検出に用いられる。
2 定量には内標準法が用いられるが、絶対検量線法は用いられない。
3 難揮発性物質の誘導体化の1つにトリメチルシリル化がある。
4 カラム恒温槽の温度をある温度から一定速度で上昇させると、上昇させない場合と比較して分離時間が長くなる。
5 電子イオン化及び化学イオン化はガスクロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法に用いられる。
109回薬剤師国家試験 問100 解答解説
◆ 1について
1 × 電子捕獲検出器は、主にC−H結合を有する有機化合物の検出に用いられる。
電子捕獲型検出器は、主に有機ハロゲン化合物,リン化合物,ニトロ化合物などの親電子性化合物の検出に用いられる。
なお、問題文にある、主にC−H結合を有する有機化合物の検出に用いられるのは、水素炎イオン化検出器である。
◆ 2について
2 × 定量には内標準法が用いられるが、絶対検量線法は用いられない。
クロマトグラフィーの定量は、通例、内標準法によるが、適当な内標準物質が得られない場合は、絶対検量線法を用いる。
◆ 3について
3 〇 難揮発性物質の誘導体化の1つにトリメチルシリル化がある。
ガスクロマトグラフィーで分析できる物質は、高温で安定に気化するものに限られる。
試料の熱安定性や揮発性の向上を目的として、試料の誘導体化が行われ、その方法の1つにトリメチルシリル化がある。
◆ 4について
4 × カラム恒温槽の温度をある温度から一定速度で上昇させると、上昇させない場合と比較して分離時間が長くなる。
カラム恒温槽の温度をある温度から一定速度で上昇させると、上昇させない場合と比較して分離時間が短くなり、分析時間を短縮することができる。これを昇温ガスクロマトグラフィーと呼ぶ。
◆ 5について
5 〇 電子イオン化及び化学イオン化はガスクロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法に用いられる。
ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)のイオン化には、
電子イオン化(EI)法,または,化学イオン化(CI)法が用いられる。
なお、液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)のイオン化には、
大気圧下でイオン化する方法であるエレクトロスプレーイオン化(ESI)法や大気圧化学イオン化(APCI)法が用いられる。