ブデソニド 主な代謝経路反応 水溶性の高い代謝物 104回薬剤師国家試験問211
104回薬剤師国家試験 問211
ブデソニドは肝臓において、活性が低く水溶性の高い代謝物に代謝され、速やかに排泄される。主な代謝経路で起こる反応について正しいのはどれか。1つ選びなさい。
1 アセタール構造が開裂する。
2 α−ヒドロキシケトン構造が互変異性を起こす。
3 1位の二重結合が還元される。
4 11位のヒドロキシ基が脱離する。
5 21位のヒドロキシ基が酸化される。
104回薬剤師国家試験 問211 解答解説
ブデソニドは糖質コルチコイドのステロイド系抗炎症薬である。
問題文に「ブデソニドは肝臓において、活性が低く水溶性の高い代謝物に代謝され、速やかに排泄される」
とあるので、選択肢の中で明らかに水溶性の高い代謝物を生成する反応がブデソニドの主な代謝経路で起こる反応に該当すると考えられる。
よって、正解は「1 アセタール構造が開裂する」である。
アセタールとは、1つの炭素に2つのエーテル結合(―OR)が存在する構造を指す。
ブデソニドのアセタール構造が開裂すると、下記のように2つのヒドロキシ基となる。
これは水溶性が高くなる反応だと考えられる。
以下、他の選択肢についての解説
◆ 2について
2 × α−ヒドロキシケトン構造が互変異性を起こす。
互変異性は代謝反応ではない。
◆ 3について
3 1位の二重結合が還元される。
1位の二重結合が還元されても水溶性が高くなるとは考えられない。
◆ 4について
4 × 11位のヒドロキシ基が脱離する。
ヒドロキシ基が脱離することで、水溶性は低下すると考えられる。
◆ 5について
5 × 21位のヒドロキシ基が酸化される。
ヒドロキシ基が酸化されてアルデヒドになると水溶性は低下すると考えられる。
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104回問210,211(e-RECさん)