ビルダグリプチン 構造,立体,塩基性 第102回薬剤師国家試験問107
第102回薬剤師国家試験 問107
ビルダグリプチンに関する記述の正誤を判定してみよう。
1 ピペリジン環を有している。
2 破線で囲んだ炭素骨格中のすべてのシクロヘキサン環は、いす形配座をとっている。
3 a及びbで示される2つの窒素原子のうち、bの方が塩基性が強い。
4 cで示される不斉炭素原子はR 配置である。
5 d及びeで示される2つの炭素原子はいずれもキラル中心(立体中心)ではない。
第102回薬剤師国家試験 問107
ビルダグリプチン(エクア)の作用機序は下記の通り。
「グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、インスリン分泌促進作用及びグルカゴン分泌抑制作用を有し、糖代謝において重要な役割を果たしている。ビルダグリプチンは、DPP-4を選択的かつ可逆的に阻害し、内因性GLP-1の濃度を高めることで、血糖依存性にインスリン分泌を促進させるとともにグルカゴン分泌を抑制し、血糖降下作用を発揮する。」また、インスリン抵抗性を表す指標が改善したと考えられるデータもある。
◆ 1について
1 × ピペリジン環を有している。
→ ○ ピロリジン環を有している。
詳細は下記のリンク先を参照
102回問107の1
◆ 2について
2 ○ 破線で囲んだ炭素骨格中のすべてのシクロヘキサン環は、いす形配座をとっている。
破線で囲まれた構造はアダマンタンと呼ばれる。
アダマンタンは3つのシクロヘキサン環から成るが、3つともいす形配座をとっている。
◆ 3について
3 × a及びbで示される2つの窒素原子のうち、bの方が塩基性が強い。
→ ○ aの方が塩基性が強い。
詳細は下記のリンク先を参照
102回問107の3
◆ 4について
4 × cで示される不斉炭素原子はR 配置である。
→ ○ cで示される不斉炭素原子はS 配置である。
詳細は下記のリンク先を参照
102回問107の4
◆ 5について
5 ○ d及びeで示される2つの炭素原子はいずれもキラル中心(立体中心)ではない。
詳細は下記のリンク先を参照
102回問107の5
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