96回薬剤師国家試験問11 イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述

96回薬剤師国家試験 問11
イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

96回薬剤師国家試験問11 イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述

 

a R 配置の不斉炭素が存在する。

 

b ア〜エの窒素のうち、最も塩基性が強い窒素はアである。

 

c ウの窒素の非共有電子対(孤立電子対)は、p軌道に存在する。

 

d 植物アルカロイドであるカンプトテシンの誘導体である。

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96回薬剤師国家試験 問11 解答解説

 

◆ aについて
a × R配置の不斉炭素が存在する。
→ 〇 S配置の不斉炭素が存在する。

 

不斉中心の絶対配置の判別の仕方については、下記のリンク先を参照
不斉中心の絶対配置の判別について

 

96回薬剤師国家試験問11 イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述

 

イリノテカンの不斉炭素の絶対配置は、
Cが奥側にあり、@ABが反時計回りに並んでいるのでSである。

 

 

◆ bについて
b 〇 ア〜エの窒素のうち、最も塩基性が強い窒素はアである。

 

詳細は下記のリンク先を参照
イリノテカンの窒素の塩基性の比較 96回問11b

 

 

◆ cについて
c × ウの窒素の非共有電子対(孤立電子対)は、p軌道に存在する。
→ 〇 ウの窒素の非共有電子対(孤立電子対)は、sp2軌道に存在する。

 

96回薬剤師国家試験問11 イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述

 

 

◆ dについて
d 〇 植物アルカロイドであるカンプトテシンの誘導体である。

 

カンプトテシンは、ヌマミズキ科のカレンボク(キジュ)やクロタキカズラ科クサミズキに含まれるキノリンアルカロイドである。トリプタミン(トリプトファンの脱炭酸生成物)とセコロガニンを原料として生成され、生合成の観点から、変形したモノテルペノイドインドールアルカロイドにも分類される。

 

96回薬剤師国家試験問11 イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述

 

96回薬剤師国家試験問11 イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述

 

イリノテカンはカンプトテシン誘導体の抗がん剤であり、生体内のカルボキシエステラーゼでエステル結合が加水分解され、活性代謝物のSN-38を生成するプロドラッグである。

 

96回薬剤師国家試験問11 イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述

 

SN-38はI型DNAトポイソメラーゼを阻害することによって、DNA合成を阻害する。殺細胞効果は細胞周期のS期に特異的であり、制限付時間依存性に効果を示す薬剤である。

 

 

★ イリノテカン塩酸塩水和物の水溶性

 

イリノテカンは活性体のSN-38に1,4´-ビピペリジン-1´-カルボニル基を結合したものだが、これによりアミンの塩酸塩とすることが可能となり、注射剤として用いるための水溶性が得られている。

 

96回薬剤師国家試験問11 イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述

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