プラバスタチン HMG-CoA メバロン酸 97回薬剤師国家試験問209
97回薬剤師国家試験 問209
プラバスタチンナトリウムは、生体内で3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)からメバロン酸が生成する反応を触媒する酵素A に作用する。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 酵素AがHMG-CoAを還元すると、メバロン酸が生成する。
2 HMG-CoA 及びメバロン酸の矢印で示した不斉炭素原子は、いずれもS配置である。
3 プラバスタチンナトリウムは、□で囲んだ部分がHMG-CoA との構造類似性が高いため、酵素Aを競合阻害する。
4 プラバスタチンナトリウムの環状部位は、親水性を示す。
97回薬剤師国家試験 問209 解答解説
◆ 1について
1 〇 酵素AがHMG-CoAを還元すると、メバロン酸が生成する。
肝臓では、アセチルCoAを出発物としてメバロン酸経路でコレステロールが生合成される。
メバロン酸経路において、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)は、HMG-CoA還元酵素とNADPHによって還元され、メバロン酸が生成する。
◆ 2について
2 × HMG-CoA 及びメバロン酸の矢印で示した不斉炭素原子は、いずれもS配置である。
詳細は下記のリンク先を参照
HMG-CoA及びメバロン酸の不斉炭素 97回問209の2
◆ 3,4について
3 〇 プラバスタチンナトリウムは、□で囲んだ部分がHMG-CoA との構造類似性が高いため、酵素A を競合阻害する。
4 × プラバスタチンナトリウムの環状部位は、親水性を示す。
→ 〇 プラバスタチンナトリウムの環状部位は、疎水性を示す。
スタチン類はHMG-CoAのCoA部に相当する疎水性部を持つ。
スタチン類の構造の特徴については、下記のリンク先を参照
スタチンの構造的特徴
★他サイトさんの解説へのリンク
第97回問208,209(e-RECさん)