97回薬剤師国家試験問105 医薬品化学

97回薬剤師国家試験 問105
医薬品ア〜ウについて、正しい記述はどれか。2つ選びなさい。

 

97回薬剤師国家試験問105 医薬品化学

 

1 アの環内の窒素はsp混成である。
2 イは、(S )-プロリン(L-プロリン)のN -置換体である。
3 ウは、炎色反応試験で赤色を呈する。
4 アが最も水に溶けやすい。

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97回薬剤師国家試験 問105 解答解説

 

◆ 1について

 

97回薬剤師国家試験問105 医薬品化学

 

1 × アの環内の窒素はsp混成である。
→ 〇 アの環内の窒素はsp3混成である。

 

なお、アは三環系抗うつ薬のイミプラミン塩酸塩(トフラニール)である。

 

 

◆ 2について

 

2 〇 イは、(S )-プロリン(L-プロリン)のN -置換体である。

 

アミノ酸のD体L体については下記のリンク先を参照。
アミノ酸のD体L体

 

イはアンギオテンシン変換酵素阻害薬のカプトプリルであり、
(S)-プロリン(L-プロリン)の窒素に置換基が導入された化合物である。

 

97回薬剤師国家試験問105 医薬品化学

 

 

◆ 3について

 

3 × ウは、炎色反応試験で赤色を呈する。
→ 〇 ウは、炎色反応試験で緑色を呈する。

 

ウはインドメタシンであり、構造中に塩素を含むので炎色反応(バイルシュタイン反応)で緑色を呈する。

 

97回薬剤師国家試験問105 医薬品化学

 

バイルシュタイン反応は銅線を用いた炎色反応で、試料がフッ素以外のハロゲンを含むと緑色を呈する。

 

 

◆ 4について

 

4 〇 アが最も水に溶けやすい。

 

ア〜ウのうち、アのみが塩なので相対的に水に溶けやすいと考えられる。

 

97回薬剤師国家試験問105 医薬品化学

 

イとウは塩ではなく、また、疎水性基の大きさと親水性基の数からして、水に溶けやすいとは考えにくい。

 

 

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