粉砕 ラベプラゾールナトリウムの代替薬 105回薬剤師国家試験問207

105回薬剤師国家試験 問207
98歳女性。体重30kg。逆流性食道炎のため、薬物アが処方された。
(処方)
薬物ア錠10mg 粉砕1回0.7錠(1日0.7錠)
1日1回 朝食後 14日分
薬剤師が処方監査を行ったところ、粉砕して服用すると問題があることが判明したため、処方の変更を医師に提案することとなった。

 

粉砕して服用する場合の不都合を回避するために提案する薬物 105回薬剤師国家試験問207

 

問207
粉砕して服用する場合の不都合を回避するために、当該病院の採用薬の中から薬剤師が提案する薬物として、適切でないのはどれか。1つ選びなさい。ただし、これらの薬剤は全て錠剤であり粉砕して用いるものとする。

 

粉砕して服用する場合の不都合を回避するために提案する薬物 105回薬剤師国家試験問207

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105回薬剤師国家試験 問207 解答解説

 

薬物アは従来型のプロトンポンプインヒビター(PPI)に特徴的な構造を有する。
従来型のプロトンポンプ阻害薬(PPI)の構造の特徴については下記のリンク先を参照
PPIの構造的特徴

 

粉砕して服用する場合の不都合を回避するために提案する薬物 105回薬剤師国家試験問207

 

 

薬物アは従来型プロトンポンプインヒビター(PPI)のラベプラゾールナトリウム(パリエット)であり、プロドラッグとして小腸から吸収され、血中から胃壁細胞に到達し、その分泌小官に蓄積して酸によって活性体となり、H+-K+ATPase(プロトンポンプ)のシステイン残基のチオール基とジスルフィド結合(共有結合)を形成する。これにより、プロトンポンプの機能を不可逆的に阻害し、胃酸の生成を抑制する。

 

ラベプラゾールナトリウムはプロドラッグとしてそのままの形で小腸から吸収されなければならないが、胃酸によって急速に分解が進んでしまうため、胃酸にさらされないよう腸溶錠にしてある。
ラベプラゾールナトリウム錠を粉砕してしまうと、製剤の腸溶性が失われてしまい、結果、胃酸によって分解されて薬効が失われてしまう。

 

ラベプラゾールナトリウム(パリエット)に限らず、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)のボノプラザンフマル酸塩(タケキャブ)を除き、他のプロトンポンプインヒビターも全て同様のことから腸溶錠となっている。

 

選択肢のうち、3は下記の通り、従来型のプロトンポンプインヒビター(PPI)に特徴的な構造を有する。
なお、3はオメプラゾールである。

 

粉砕して服用する場合の不都合を回避するために提案する薬物 105回薬剤師国家試験問207

 

よって、3(オメプラゾール)の錠剤を粉砕して服用するのは適切ではない。

 

 

他の選択肢について、

 

2はカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)のボノプラザンフマル酸塩(タケキャブ)である。

 

粉砕して服用する場合の不都合を回避するために提案する薬物 105回薬剤師国家試験問207

 

標的はH+-K+ATPase(プロトンポンプ)であるが、従来型のPPIとは異なり、酸による活性化は必要なく、胃酸に対して安定なので、錠剤は腸溶錠ではない。よって、ボノプラザンフマル酸塩(タケキャブ)の錠剤を粉砕して投与することは可能である。
また、酸による活性化が必要ないため、比較的に作用発現が早いのも特徴である。

 

選択肢1,4,5の構造について、
ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト(H2ブロッカー)に特徴的な構造を有する。
H2ブロッカーの構造の特徴については下記のリンク先を参照
H2ブロッカーの構造的特徴

 

粉砕して服用する場合の不都合を回避するために提案する薬物 105回薬剤師国家試験問207

 

ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト(H2ブロッカー)は、胃壁細胞のヒスタミンH2受容体でヒスタミンと拮抗することにより、胃酸分泌を抑制する。H2ブロッカーの錠剤は粉砕しても問題はない。

 

★他サイトさんの解説へのリンク
第105回問206,207(e-RECさん)

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