マイトマイシンCの構造とアルキル化の作用機序
本ページでは、マイトマイシンCの構造とアルキル化の作用機序について説明しています。
マイトマイシンCは抗腫瘍性抗生物質であり、
生体内で還元されることで活性体となり、
DNAのグアニン2位のアミノ基をアルキル化し、
DNA鎖間に架橋を形成する。
マイトマイシンCの構造的特徴として、
インドールキノンとアジリジンを含むことが挙げられる。
マイトマイシンCは天然のプロドラッグであり、
生体内で親薬物のマイトセンとなり、抗腫瘍効果を発揮する。
まず、構造中のp-ベンゾキノンが還元されてヒドロキノン,または,セミキノンとなる。
キノンとヒドロキノンの酸化還元については下記のリンク先を参照
酸化剤のp-キノンと還元剤のヒドロキノン 96回問6c
その後、−OCH3がメタノールとして脱離し、親薬物のマイトセンとなる。
その後、マイトセンのアジリジンは開環し、
電子不足な炭素にDNAのグアニン2位のアミノ基が求核攻撃することが2回起こる。
マイトマイシンは2本鎖DNAの副溝(狭い溝)に結合して反応するため,
グアニンの2位に置換するアミノ基と反応する。
結果として、マイトマイシンCはDNAの2位のアミノ基をアルキル化することにより、
2本のDNA鎖間に架橋を形成する。