アザチオプリンの確認試験 亜鉛還元,芳香族第一級アミンの定性 101回薬剤師国家試験問106の2
101回薬剤師国家試験 問106の2
プロドラッグＡに関する記述の正誤を判定してみよう。
2 確認試験では、希塩酸中亜鉛粉末で還元し、芳香族第一アミン（芳香族第一級アミン）の定性反応を利用できる。
101回薬剤師国家試験 問106の2 解答解説
2 〇 確認試験では、希塩酸中亜鉛粉末で還元し、芳香族第一アミン（芳香族第一級アミン）の定性反応を利用できる。
Aはアザチオプリン（イムラン，アザニン）であり、6−メルカプトプリンのプロドラッグである。
アザチオプリンを希塩酸中亜鉛粉末で処理すると、ニトロ基が還元されてアミノ基となり、芳香族第1級アミンを生成する。
以下、芳香族第1級アミンの確認試験について
芳香族第1級アミンを酸性条件下で亜硝酸塩または亜硝酸エステルと反応させると、下記のように芳香族第1級アミンとニトロソニウムイオン（＋NO）との反応が進行し、結果として、芳香族ジアゾニウム塩が生成する。
この反応は芳香族第1級アミンの確認試験に応用されている。試料中に芳香族第1級アミンが存在すると亜硝酸Naの添加により芳香族ジアゾニウム塩を生成し、さらに、津田試薬と呼ばれるN,N-ジエチル-N'-(1-ナフチル)エチレンジアミンシュウ酸塩の試薬を添加すると、津田試薬中の化合物の芳香環に対して、ジアゾニウム塩が求電子剤として反応し（芳香族求電子置換反応）、アゾ基（−N＝N−）を有する化合物（アゾ色素）が生成して赤紫色を呈する。なお、津田試薬中の化合物の芳香環に対するジアゾニウム塩の求電子置換反応はジアゾカップリングと呼ばれる。
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