アロプリノール オキシプリノールに代謝,テオフィリンと相互作用,海藻類の摂取 98回薬剤師国家試験問224
98回薬剤師国家試験 問224
55歳男性。身長168cm、体重82kg。血清クレアチニン値1.8mg/mL。
気管支ぜん息の既往症がある。高尿酸血症と診断され、以下の薬剤が処方された。
(処方)
アロプリノール錠100mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回朝昼夕食後28日分
問224
この処方の内容及び患者指導に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選びなさい。
1 日頃の尿酸値のコントロールが重要であることを説明し、服薬遵守を促す。
2 テオフィリンが処方された場合は、アロプリノールとの相互作用に注意する。
3 アロプリノールの大部分はオキシプリノールに代謝されるため、腎機能に合わせた減量を考慮する必要はない。
4 海藻類の摂取をなるべく控えるよう指導する。
98回薬剤師国家試験 問224 解答解説
◆ 1について
1 〇 日頃の尿酸値のコントロールが重要であることを説明し、服薬遵守を促す。
◆ 2について
2 〇 テオフィリンが処方された場合は、アロプリノールとの相互作用に注意する。
テオフィリンとアロプリノールとの相互作用については下記のリンク先を参照
テオフィリンとキサンチンオキシダーゼ阻害薬との相互作用
なお、テオフィリンの作用機序として、ホスホジエステラーゼ阻害による細胞内c-AMPの増加の他、アデノシン受容体に対する拮抗作用,細胞内カルシウムイオンの分布調節作用が挙げられる。
それらにより、気管支平滑筋の弛緩による気管支の拡張,肺血管拡張,気道の粘液線毛輸送能の促進,横隔膜の収縮力増強,肥満細胞からの化学伝達物質(気管支収縮因子)の遊離抑制等の作用により,気管支喘息,慢性気管支炎,肺気腫等の閉塞性肺疾患の諸症状を改善する。
また,テオフィリンは,喘息患者の気管支生検において活性化好酸球数,総好酸球数の減少及びCD4陽性細胞数の減少等の抗炎症作用を示す。
◆ 3について
3 × アロプリノールの大部分はオキシプリノールに代謝されるため、腎機能に合わせた減量を考慮する必要はない。
アロプリノールの大部分はキサンチンオキシダーゼで代謝されてオキシプリノールとなるが、オキシプリノールはキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する活性代謝物である。
オキシプリノールは尿中排泄されるため、腎機能が低下しているとオキシプリノールの排泄が遅延し、血中濃度が高くなり、副作用が増強する恐れがある。
よって、アロプリノールは腎機能に合わせて投与量の減量や投与間隔の延長を考慮する必要がある。
◆ 4について
4 × 海藻類の摂取をなるべく控えるよう指導する。
尿をアルカリ化することで尿酸の溶解度が上がる。そのため、痛風・高尿酸血症の患者には、尿をアルカリ化する食品として海藻,野菜,きのこ,大豆,いも類,果物等の積極的摂取が勧められる。
ただし、フルクトース(果糖),スクロース(ショ糖)は血中尿酸値を上昇させるので、過剰にならないよう注意。
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第98回問224,225(e-RECさん)