ヌクレオチド合成のフィードバック阻害

本ページでは、ヌクレオチド合成のフィードバック阻害について説明しています。

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題集 科目別まとめ一覧 へ

 

★ プリンヌクレオチドの生合成のフィードバック機構

 

プリンヌクレオチドのデノボ合成の全体の反応速度、または、アデニル酸・グアニル酸の割合が調節されるようフィードバック機構が働く。

 

@ リボースリン酸ピロホスホキナーゼはADP・GDP等によってフィードバック阻害を受ける。

 

A グルタミン-PRPPアミドトランスフェラーゼはIMP・AMP・GMPによってフィードバック阻害を受ける。

 

B イノシン5´−一リン酸(IMP)からアデノシン5´−一リン酸(AMP)を生成する過程において、アデニロコハク酸シンテターゼはAMPによってフィードバック阻害を受ける。

 

C イノシン5´−一リン酸(IMP)からグアノシン5´−一リン酸(GMP)を生成する過程において、IMPデヒドロゲナーゼはGMPによってフィードバック阻害を受ける。

 

D IMPからAMPを生成する過程において、アデニロコハク酸シンテターゼの触媒反応にはグアノシン5´−三リン酸(GTP)が利用される。
一方、IMPからGMPを生成する過程において、キサンチル酸−グルタミンアミドトランスフェラーゼの触媒反応にはアデノシン5´−三リン酸(ATP)が利用される。
これはアデノシン5´−一リン酸(AMP)とグアノシン5´−一リン酸(GMP)の合成バランスを保つためのフィードバック機構である。

 

ヌクレオチド合成のフィードバック阻害

 

 

★ ピリミジンヌクレオチドの生合成のフィードバック機構

 

ピリミジンヌクレオチドのデノボ合成経路の上流で働くアスパラギン酸トランスカルバモイラーゼは、経路の最終生成物のシチジン5´−三リン酸(CTP)によってフィードバック阻害を受ける。本酵素はCTPが調節サブユニットに結合するにつれて不活性型へとコンフォメーション変化を起こすが、アデノシン5´−三リン酸(ATP)が存在するとそのコンフォメーション変化は阻止され、酵素の活性は維持されると考えられている。

トップへ戻る