形式電荷とは 求め方 薬学

本ページでは、「形式電荷」について説明しています。

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形式電荷は、イオン結合や共有結合を形成する原子について、
遊離原子の時との比較での電子の過不足を表す指標である。

 

・形式電荷の符号
安定な電子配置になるために、
結合相手に電子を渡したとみなせ、
遊離原子の時と比べて電子が減ったとみなせる場合、
形式電荷の符号は+となる。

 

安定な電子配置になるために、
結合相手から電子を受け取ったとみなせ、
遊離原子の時と比べて電子が増えたとみなせる場合、
形式電荷の符号は−となる。

 

 

例:塩化リチウムのリチウムと塩素の形式電荷

 

塩化リチウム(LiCl)はリチウムと塩素がイオン結合していると考えられる。

 

リチウムは塩素に電子を1つ渡すことにより、
ヘリウムと同じ電子配置となり安定化したとみなせる。
よって、LiClのLiの形式電荷の符号は+である。

 

塩素はリチウムから電子を1つ受け取ることにより、
アルゴンと同じ電子配置となり安定化したとみなせる。
よって、LiClのClの形式電荷の符号は−である。

 

LiClの電子式は下記のように描ける。

 

形式電荷とは 求め方 薬学

 

以上より、LiClにおいて、
Liは遊離原子の時と比べて1つ電子が減っているので形式電荷は+1であり、
Clは遊離原子の時と比べて1つ電子が増えているので形式電荷は−1である。

 

 

・式による形式電荷の計算

 

形式電荷は下記の式を用いて計算することもできる。

 

形式電荷とは 求め方 薬学

 

上式を用いて、
塩化リチウム(LiCl)の塩素の形式電荷は次のように計算できる。

 

形式電荷とは 求め方 薬学

 

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