乳糖を賦形剤として用いるのはどれか 101回薬剤師国家試験問211

101回薬剤師国家試験 問211
散剤の主薬の処方量が少ない場合には、賦形剤の添加により、かさを増し、分包誤差を極力少なくすることができる。賦形をする際は、一般的に賦形剤として乳糖やデンプンなどを、主薬によって選択して用いる。

 

以下のうち、一般的に乳糖を賦形剤として用いるのはどれか。2つ選びなさい。
1 アミノフィリン水和物末
2 イソニアジド末
3 ヨウ化カリウム末
4 β-ガラクトシダーゼ散
5 ロートエキス散

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101回薬剤師国家試験 問211 解答解説

 

乳糖を賦形剤として用いるのは、「3.ヨウ化カリウム末」と「5 ロートエキス散」である。これらは乳糖とは配合変化を起こさない。

 

1のアミノフィリン水和物末は、乳糖と配合変化を起こして黄色に変色するため、賦形剤としてデンプンを用いる。

 

2のイソニアジド末(イソニコチン酸ヒドラジド:INH)は、乳糖と配合変化を起こして、黄〜褐色に変化または含量が低下するため、賦形剤としてデンプンを用いる。
この配合変化は、イソニアジドの酸ヒドラジドのNH2が乳糖の鎖状構造のアルデヒドに求核攻撃することが考えられている。

 

 

4のβ-ガラクトシダーゼ散(ガランターゼ散)について、乳糖(ラクトース)はβ-D-ガラクトースとD-グルコースがβ1→4で結合した二糖であるため、β-ガラクトシダーゼによって分解されてしまう。よって、賦形剤としてデンプンを用いる。
なお、β-ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)は、乳児または経管栄養食,経口流動食患者などの乳糖不耐症により生ずる下痢などの改善に用いられる。

 

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第101回問210,211(e-RECさん)

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