グルタミン酸残基のγ-カルボキシ化とビタミンkの働きと代謝経路
本ページでは、グルタミン酸残基のγ-カルボキシ化とビタミンkの働きおよび代謝経路について説明しています。
ビタミンKはビタミンK依存性のγ-グルタミルカルボキシラーゼの補酵素として働き、タンパク質のグルタミン酸残基をγ-カルボキシ化(Gla化)するのに必要である。
グルタミン酸残基がGla化されると、カルシウムイオンの結合が促され、タンパク質の機能発現につながる。
γ-グルタミルカルボキシラーゼの触媒により、タンパク質のグルタミン酸残基がγ-カルボキシ化されるのに伴い、ビタミンKのヒドロキノン型がエポキシド型に酸化される。その後、エポキシド型VK→キノン型VK→ヒドロキノン型VKと順次還元されてヒドロキノン型VKが再生する。
Gla化されることで機能を発現するタンパクとして、血液凝固因子(U,Z,\,])や骨基質タンパクのオステオカルシン等がある。
なお、γ-カルボキシグルタミン酸(gamma-carboxyglutamic acid)を略してGlaと呼ぶ。
ワルファリンカリウム(ワーファリン)は、ビタミンKエポキシドレダクターゼとビタミンKキノンレダクターゼをVKと競合阻害することにより、VKのヒドロキノン型への還元を抑制し、それによりVK依存性γ−グルタミルカルボキシラーゼの働きは阻害され、VK依存性血液凝固因子のプロトロンビン(第U因子)、第Z、第\、及び第]因子の生合成を抑制して抗凝固効果及び抗血栓効果を発揮する。