セフジニルとの併用に注意が必要な薬剤 107回薬剤師国家試験問202
107回薬剤師国家試験 問202
60歳女性。背中の粉瘤(注)が感染を起こしたため皮膚科を受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。
(注) 粉瘤(アテローム):皮膚の下に袋状の嚢腫ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称。
問202(実務)
今回処方された医薬品と併用するにあたり、注意が必要な服用中の薬剤はどれか。1つ選びなさい。
1 エナラプリルマレイン酸塩錠
2 L−アスパラギン酸Ca錠
3 レバミピド錠
4 クエン酸第一鉄ナトリウム錠
5 プラバスタチンNa錠
107回薬剤師国家試験 問202 解答解説
セフジニル(セフゾン)との相互作用が問題となるのは、
4のクエン酸第一鉄ナトリウム錠(フェロミア)である。
セフジニル(セフゾン)と鉄剤を同時服用すると、腸管内でセフジニルは鉄イオンに配位し、キレートを形成する。この錯体はほとんど吸収されないため、セフジニルの吸収を約10分の1まで阻害する。
そのため、セフジニルと鉄剤との併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合には、セフジニルの投与後3時間以上間隔をあけて鉄剤を投与する。
また、アルミニウムまたはマグネシウム含有製剤においても、
同時服用するとセフジニルの吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがあるので、
セフジニルの投与後2時間以上間隔をあけて投与する。