チミジル酸 メチル基導入,塩基部分の原料,分解 105回薬剤師国家試験問114
105回薬剤師国家試験 問114
下図のヌクレオチドに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 RNAの構成成分である。
2 デオキシウリジン5´−一リン酸のメチル化により生成する。
3 塩基のメチル基の導入には、ピリドキサールリン酸が補酵素として必要である。
4 塩基部分の生合成には、アスパラギン酸及びグルタミンが利用される。
5 分解されて生じた塩基は酸化されて尿酸となる。
105回薬剤師国家試験 問114 解答解説
◆ 1について
1 × RNAの構成成分である。
設問のヌクレオチドはチミジル酸(チミジン一リン酸;dTMP)であり、
DNAの構成成分である。
◆ 2,3について
2 〇 デオキシウリジン5´−一リン酸のメチル化により生成する。
3 × 塩基のメチル基の導入には、ピリドキサールリン酸が補酵素として必要である。
→ 〇 塩基のメチル基の導入には、チミジル酸シンターゼの補酵素として5,10メチレンテトラヒドロ葉酸が必要である。
なお、セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼの触媒により、テトラヒドロ葉酸とセリンから5,10メチレンテトラヒドロ葉酸が生成する反応では、補酵素としてピリドキサールリン酸(ビタミンB6の補酵素形)が必要である。
チミジル酸の合成については下記のリンク先を参照
チミジル酸の合成経路
◆ 4について
4 〇 塩基部分の生合成には、アスパラギン酸及びグルタミンが利用される。
ヌクレオチドの合成経路と原料については下記のリンク先を参照
◆ 5について
5 × 分解されて生じた塩基は酸化されて尿酸となる。
ピリミジンヌクレオチドの分解で尿酸は生成しない。
プリンヌクレオチドの分解で生じるプリン塩基は酸化されて尿酸となる。
なお、ピリミジン塩基の分解で生じるアンモニアは尿素回路で処理される。
ヌクレオチドの分解と産物については下記のリンク先を参照
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