バルプロ酸と併用禁忌の抗生物質 97回薬剤師国家試験問268-269
97回薬剤師国家試験 問268−269
12歳女児。てんかんの治療のため、以下の薬剤が処方された。
問268(実務)
秤取すべき20%散の全量は何g か。1つ選びなさい。
1 1
2 2
3 4
4 14
5 28
6 56
問269(薬剤)
バルプロ酸の血中濃度を低下させ、てんかん発作が再発することがあるため、
禁忌となる抗生物質の種類はどれか。1つ選びなさい。
1 アミノグリコシド系
2 カルバペネム系
3 セフェム系
4 テトラサイクリン系
5 マクロライド系
97回薬剤師国家試験 問268(実務) 解答解説
秤取すべきバルプロ酸ナトリウム散20%の全量は、
選択肢5の28 gである。
バルプロ酸ナトリウム散20%のバルプロ酸ナトリウムの含有量は200mg/gである。
14日分のバルプロ酸ナトリウムの総投与量は、
400mg/日×14日 = 5600mg であるので、
秤取すべきバルプロ酸ナトリウム散20%の全量は、
5600mg ÷ 200mg/g = 28g である。
97回薬剤師国家試験 問269(薬剤)
バルプロ酸の血中濃度を低下させ、てんかん発作が再発することがあるため、
禁忌となる抗生物質の種類は、選択肢2のカルバペネム系である。
バルプロ酸ナトリウム(デパケン)と、
メロペネム,ドリペネム,パニペネムなどのカルバペネム系抗生物質を併用すると、
バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかん発作が再発することがある。
そのため、バルプロ酸ナトリウムとカルバペネム系抗生物質は併用禁忌となっている。
この相互作用のメカニズムは不明である。
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